『スーパーカー誕生』 沢村慎太朗

スーパーカー誕生『スーパーカー誕生』沢村慎太朗(文踊社)、読了。

著者はスーパーカーを高性能でミドシップの市販車だと端的に規定する。その上で、そのカテゴリーにおける代表的な車について、黎明期から順を追って考察していく。

当然ながら各車にはそれぞれ設計上の特徴がある。自動車設計において、特徴とはつまり目的か制約――あるいはしばしばその両方――の結果であるはずだ。たとえば、ランボルギーニ・ミウラがその V12 エンジンを縦ではなく横に置いているのは、居住空間の確保という制約の結果なのだと著者は説く。
こういった考察だけでも興味ぶかいのだが、著者はなんと開発主任のジャンパオロ・ダラーラにインタビューして裏を取っている。その上で、居住空間の確保というこの制約が生んだミウラのネガが考察されていく。

そんなふうにして 30 台以上の車が語られる。丹念に熱意をこめて書かれていて楽しんで読めた。スーパーカーやスポーツカーに興味を持っている人なら読んで損はないと思う。ただ、車にとくには興味を持っていない人にまで読ませる力という面では、残念ながら不足を感じてしまった。小林秀雄は文学に興味がない人間が読んでもたぶん面白い。

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