『成功する子 失敗する子 何が「その後の人生」を決めるのか』 ポール・タフ

成功する子 失敗する子 何が「その後の人生」を決めるのか『成功する子 失敗する子 何が「その後の人生」を決めるのかポール・タフ 著 高山真由美 訳(英治出版)、読了。

貧困層の子供の学力向上に取り組む人たち――教育者や心理学者や小児科医や経済学者など――と、彼らの助けを受けつつ劣悪な環境で前向きに努力している貧困層の子供、彼らへの取材を通じて「成功」するための資質にたいして考察した本だ。

「知能」ではなく非認知的な要素――たとえば好奇心、自制心、社会性といったもの――こそが成功するために重要なのだという近年の主流意見と、著者も見解を同じくしている。たぶんそうなのだろうと私も考える。ではどうすればそういう能力を伸ばしていけるのか。神経科学や心理学の研究結果や先端的な教育施設の活動を紹介しながら、著者はその答えを探っていく。わが子を「成功」させるという観点からではなく、「貧困」層の教育向上という観点から著者は問題をみていて、さまざま点で私は啓発された。

ところで、トレーダーという自分自身の職業にかかわる面でも、ふだんの自分の考えの正しさをこの本で確認することができて、私は意を強くした。

  (…) なぜルールが機能するかについては神経生物学上の理由がある。ケスラーによれば、ルールをつくると前頭前皮質を味方につけることができる。つまり、本能に突き動かされて反射的に働く脳の部位に対抗できる。ルールは意志力とおなじものではない、とケスラーは指摘する。ルールはメタ認知を利用した意志力の代用品である。 (…) ルールはやがて欲求とおなじくらい反射的に働くようになる。( 151 頁)

「精神力で」とか「意志の力で」とか吐かしている阿呆たちは、勝てるトレーダーには永遠になれない。

私は小学生の息子の成績はほとんど気にしないが、息子が習慣を力にすることに関してはかなり気にしている。気にしているだけで、じっさいの教育は妻にまかせっぱなしなのだけれども。「親があっても子は育つ。」

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