メモ 2006 年 12 月 4 日
『大西巨人文選 2 途上 1957-1974 』(みすず書房)。
世の中には、次ぎのような種類の妻がいる。彼女は、その夫が金で女を買うこと・売春婦に接することを、つまり大目に見ることができる。しかし彼女は、その夫が愛人を持つこと・他の女と恋愛することを、決して大目に見ることができない。 (…) ( 213 頁)
世間で(また、それだけでなく創作物の上でも)よく見かける態度である。
(…) この種の妻は、一人の男が、――よしんばそれが彼女の夫であっても、――ある女と金によって性交を行なうのと、ある女と恋愛によって性交を行なうのと、そのどちらが人間的・倫理的であるか、を正当に比較して考えることができない。 (…) ( 214 頁)
「この種の妻」においてこの比較を行うには、自分にたいするある種の態度変更が必要であろう。
(…) 一般に妻は、その夫が第三者女性と交合しないことを願望期待するのが当然であり、しかし不幸にしてそのような事態が発生した場合には、せめてそれは恋愛による交合であることを念願するべきである(それが人間的・倫理的であろう)、と私は考えざるを得ない。これは、夫についても同断である。 (…) ( 214 頁)
たぶんその態度変更は、どこかにフロイト的な意味でのユーモアを含むだろう。
ビール 2.5 リットル。