ウィザードブックシリーズ 190 裁量トレーダーの心得 初心者編 ――システムトレードを捨てたコンピューター博士の株式順張り戦略』 デーブ・ランドリー

ウィザードブックシリーズ 190  裁量トレーダーの心得 初心者編 ――システムトレードを捨てたコンピューター博士の株式順張り戦略ウィザードブックシリーズ 190 裁量トレーダーの心得 初心者編 ――システムトレードを捨てたコンピューター博士の株式順張り戦略デーブ・ランドリー 著 長尾慎太郎 監修 山口雅裕 訳(パンローリング)、読了。

ものすごくいいことが書いてある。でも、利益を出せていなかった頃の自分が読んでも、そこは身につかなかっただろう。そういう時期は手法にばかり目がいくものだ。

もちろん手法は重要だ。しかし、同じ手法を学んだのに、勝てるトレーダーになれる人となれない人がいる。これは師匠についてトレードを学ぶ過程でじっさいに目にしてきた。教えられたとおりに行動できる人は意外に少ない。林輝太郎氏も著書でそれを強調しておられた。

たとえば、トレンドの判断基準は一貫していなければならない。 MA を使うにしろダウ理論で高値・安値を見るにしろ、あるいは一目を使うにしろ、別になにを使ってもいいが、一貫してそれで判断しないといけない。そしてそれは単純なほうがいい。さらに、時間軸を混同してはならない。

すこし勉強した人ならこの意味はわかるだろう。しかし、頭でそれを理解できることと、それにしたがって行動することとはまったく違うことなのだ。上記 3 つを見てもわかるように、トレンドの転換は転換してからでないと分からない。ここに落とし穴がある。落とし穴にならないトレーダー適正の高い人もまれにいるが、私はちがった。色々と考えてしまうのだ。予測しようとしてしまう。でも、基準にないことを考えるということは、けっきょくその基準について理解していないということだ。トレンド判断について言えば、それは天底、つまり転換点を事前に知るためにするのではないということが本質だ。この当たり前のことが分かるまでに、ずいぶん痛い目を見た。

このこの本にのっている手法については、次の言葉で判断すればいい。

 数千のチャートを調べたのに、少数の例しか見つけだせなかったために、私は少し気がとがめ初めていた。( 276 頁)

この本に載っているチャート例は、膨大な数のチャートのなかから選ばれた「良い形の」チャートなのだ。それは滅多に現われない。しかし、「ある基準にそって」数千のチャートを見るということは意味があることだと私は考える。

『メイク・マネー ! ――私は米国投資銀行のトレーダーだった』 末永徹

メイク・マネー !  ――私は米国投資銀行のトレーダーだった『メイク・マネー ! ――私は米国投資銀行のトレーダーだった』末永徹(文藝春秋)、読了。

ソロモン・ブラザーズでトレーダーであった著者の回顧録である。外資系投資銀行の元トレーダーが書いた本というのはなかなかないので、トレードに興味のある人は読んでおいて損はない。

『ゴールドマン・サックス〔上〕』 チャールズ・エリス

ゴールドマン・サックス〔上〕『ゴールドマン・サックス〔上〕』チャールズ・エリス 著 斎藤聖美 訳(日本経済新聞社)、読了。

日経 225 先物を主戦場にしていたころ、ゴールドマン・サックスの凄さはしばしば耳にしていた。さらにその後オプショントレードを教えて頂いた師匠が…… GS の………で、 GS の凄さをまざまざと思い知らされたものだ。その頃、どんな歴史の会社なのかを知るためにこの本を読んでみたのだが、よく取材されている良書だった。

『ピット・ブル チャンピオン・トレーダーに上り詰めたギャンブラーが語る実録「カジノ・ウォール街」』 マーティン・ “バジー” ・シュワルツ

ピット・ブル チャンピオン・トレーダーに上り詰めたギャンブラーが語る実録「カジノ・ウォール街」『ピット・ブル チャンピオン・トレーダーに上り詰めたギャンブラーが語る実録「カジノ・ウォール街」マーティン・ “バジー” ・シュワルツ著 成田博之訳(パンローリング)、読了。

『マーケットの魔術師』にも登場したマーティン・シュワルツの自伝だ。あまり期待せずに読み始めたが、予想していたよりはるかに面白かった。

(…) ルーレットの数字や色をメモして、これらのパターンが出現するのをじっと待った。全くランダムな結果が予測できても、それでも、自分のシステムを信じた。ルーレットを回して出る目は、毎回同じ確率でも、自分のシステムに従って賭けた。ギャンブルだけに限ったことではないが、自分の納得のいく方法がないと思考だけが先行して、行動に結びつかない。もしかしてあるときはその台に何らかのバイアスがあるかもしれないが、そんなことは誰にも分からないことだ。( 75 頁)

ルーレットの出目に対するこのシュワルツの考え方は、私のテクニカル分析に対する考え方と似ている。根拠があるかないかよりも、自分を律するためにそれは必要なのだ。

『欲望と幻想の市場―――伝説の投機王リバモア』 エドウィン・ルフェーブル

欲望と幻想の市場―――伝説の投機王リバモア『欲望と幻想の市場―――伝説の投機王リバモアエドウィン・ルフェーブル 林康史訳(東洋経済新報社)、読了。

  (…) トレーダーとして成功するためには、この、二つの本源的とも言える人間の性を克服しなければならない。つまり、いわば人間として当然の衝動といったものを覆さなければならないのだ。恐怖すべき時に恐怖し、希望すべき時に希望しなくてはならない。
( 133 頁)

伝説となっている投機家リバモアへのインタビューをもとに、 1 人称形式の小説として編まれている。独白であるがゆえに彼の投機哲学があますところなく語られているし、小説形式であるがゆえに話に緊迫感がある。いままで読んだ相場関係の本のなかでは群を抜いておもしろい。

ところで、上の引用は本書のなかの数ある金言のなかのほんのひとつだけれど、校正時の誤りではないかと思う。「恐怖すべき時に希望し、希望すべき時に恐怖しなくてはならない」が正しいのではないか。

『先物・オプション取引入門』 ジョン・ C ・ハル

先物・オプション取引入門『先物・オプション取引入門』ジョン・ C ・ハル 著 小林孝雄 監訳(ピアソン・エデュケーション)、読了。

「大学院生や学部生の専門科目のテキストとして書かれている」ということで、実践的ではなく学問的な内容の本だ。最初の一歩をまちがえると後の修正がめんどうなので、私はオプションを学びはじめたときにこの本から入った。時間と能力の関係で数式はとばしたが、取り引き以前の基礎知識は得ることができた。

オプション取り引きの必読書、とまでは言えない。ただ、相場の勉強は多少まわり道かなと思うくらいでちょうどいい。そういう意味で、読んでおいて損はない本だ。

パンローリング相場読本シリーズ 10 生き残りのディーリング 決定版 投資で生活したい人への 100 のアドバイス』 矢口新

パンローリング相場読本シリーズ 10  生き残りのディーリング 決定版 投資で生活したい人への 100 のアドバイスパンローリング相場読本シリーズ 10 生き残りのディーリング 決定版 投資で生活したい人への 100 のアドバイス矢口新(パンローリング)。

2 年くらい前に読んだ。ここ 1 年くらいは相場関係の本をほとんど読んでいない。新しい手法はもう欲しくない。

ただ、これまでに読んだトレード本もここに書いていこうかと考えている。ハズレを引く確率がものすごく高い分野なので、これから読もうとしている人の一助になればと思う。

“Always long on the top” という素敵な言葉を最近知った。この本に出ているらしいのだけれど、私は読んだときに心に残らなかった。今はその大切さが分かる。私自身は、ひとつ短い時間軸で考えるけれども。

価格の波動はなぜ生まれるのか。その波にどう乗っていくべきなのか。そういった考察が参考になった。「ポジションの量と保有期間が方向を決める」という小見出しは当たり前のようでいて深い言葉だ。

ウィザードブックシリーズ 138 トレーディングエッジ入門 ――利益を増やしてドローダウンを減らす方法』ボー・ヨーダー

ウィザードブックシリーズ 138  トレーディングエッジ入門 ――利益を増やしてドローダウンを減らす方法ウィザードブックシリーズ 138 トレーディングエッジ入門 ――利益を増やしてドローダウンを減らす方法ボー・ヨーダー著 長尾慎太郎監修 井田京子訳(パンローリング)、読了。

マーケット環境には周期性があり、その周期が自分のトレードスタイルに合っているときには利益が伸び、合っていないときには損失が積み重なると著者は言う。なので、好周期(ペイアウトサイクル)に張りを大きくし、悪周期(ペイバックサイクル)に張りを小さくするべきだと。これは、博打打ちなら誰でも考えることだ。

しかし、トレード手法はそれ自身の確率を持っている。ペイアウトサイクル – ペイバックサイクルという別の変数を持ち込むことは賢明なことだとは思えない。